【飯豊連峰縦走3泊4日】黄金色に輝く草紅葉の稜線を夢見て・・2023/10/1(日)~10/4(水)

山登り

草紅葉に彩られた飯豊の稜線を歩きたくて、3泊4日の山旅に出かけてきました。
梅花皮小屋と頼母木小屋に泊まって、飯豊本山から朳差岳まで、飯豊の主稜線の核心部を歩くことが出来ました。

全体的に天気が荒れ気味で、特に稜線部は風が強く、夜には雨も混ざって暴風雨っぽくなるほどでした。
ただ、そこは小屋泊まりのいいところ、外がどんなに荒れ狂ってても全く関係ありません。 これがテントだったら・・・
低価格で泊まれる山小屋が充実してる、東北の山文化の素晴らしさよ・・。

肝心の紅葉のほうは、尾根のブナ林はまだまだ。
一方で稜線の草紅葉は今が盛り、晴れてさえいれば一生の思い出に残るような素晴らしい体験が出来るはず。
今回は晴れたり曇ったりの連続で、紅葉を楽しむには厳しい天気でした。
いずれ完璧な秋晴れの日に再訪したいものです。

【飯豊連峰縦走その1】梅花皮小屋に泊まって飯豊本山へ 黄金色に輝く草紅葉の稜線を夢見て・・
【飯豊連峰縦走その2】遠征3日目は梅花皮小屋から朳差岳へ 黄金色に輝く草紅葉の稜線を夢見て・・

〈山行の軌跡

駐車場
飯豊山荘に広い駐車場あり。
50台くらいはいけそう。
ガラガラでした。
飯豊山荘の人によれば、土日はいっぱいになるそうです。
温泉も入れて最高です(500円)。

トイレ
飯豊山荘に外トイレがあります。
和式水洗。24時間使用可。

梅花皮小屋
1泊一人2,000円。
2階建てで、20人くらいは快適に泊まれそう。
特筆すべきは、トイレが建物の中にあり、和式ではあるが水洗です♪
水場も50mと近く、稜線なのにドバドバ出てて感動もの。

頼母木小屋
1泊一人2,000円。
2階建てで、梅花皮小屋よりは狭いが清潔で快適です。
トイレは外トイレですが、バイオ式で匂いもそれほど気になりませんでした。
水場は小屋の前に、こちらもドバドバ出てました。

二つの小屋ともに、また泊まってみたくなる素敵な山小屋でした。
管理の方々に感謝です。

1日目 梶川尾根から梅花皮小屋へ  10/1(日)

飯豊山荘の駐車場 5:10

松本から下道を8時間、前日の内に駐車場に乗りつけておいて車中泊。
飯豊山荘の外トイレが24時間使えてありがたかったです。
日曜なので凄い車の数と覚悟してたら、朝5時の時点でも5台ほどで拍子抜けしました。
天気悪いからかなあ・・・

梶川尾根のとりつき 5:45

梶川尾根の取りつきは、山荘から温身平への車道を300mほど辿ります。
てっきり、山荘の前から伸びている登山道がありまして、最初はこれかなと思ったのですが、そちらは丸森尾根の取りつきのようです。
間違わなくて良かった・・・危ない危ない。

この尾根、いきなり物凄い急登が続いて少し驚きました。
ほとんどよじ登るに近いような急登が、最初から立て続けに襲ってきます。
こんな岩場もあったりして・・・
それでも、そこそこ登りやすいようにはなっているので、危険はそれほど感じなかった。
標高差にして500mほどは凄い急登が続きました。

1021mピーク(湯沢峰)を超えてからは少し落ち着いてきて、緩やかな所も少しはでてきます。
あいかわらず急な所は凄く急ですが・・・
豪雪の山らしく、尾根には美しいブナの木がたくさん生えており、なかなかいい雰囲気。
紅葉はまだまだこれからといった所でした。
稜線の草紅葉とブナの黄葉を一緒に楽しむのは難しいのかな。

梶川峰(1692m) 10:20

我慢の登りを4時間半以上、ようやく梶川峰に到着。
急登の尾根はここから森林限界の様相を呈し、さながら稜線に出たかのような雰囲気です。
ガスってて展望は全くないんですが・・・・
天気が良ければさぞかし気分がいいんだろうな。

灌木の紅葉も進んでて、これで晴れてたらさぞかし綺麗だったんだろうな・・・
明日以降の天候回復に期待しつつ黙々と登ること1時間で稜線へ・・・

稜線 11:20

やっぱり稜線に出ても真っ白け・・・
向こう側の景色に期待してたんけど、見事に裏切られた格好。
風も強く、ガスが凄い勢いで吹っ飛んでいきます。
寒~~。
雨具にダウンを着込んでるので、寒くはないのですが、これだけ着込んでも、汗をかくこともないくらいの寒さ。
いつの間にか暑さよりも寒さを心配しないといけない季節になってしまったな。

門内小屋で一休み

たまらず門内小屋で一休み。
いや~、いい場所にあるな、この小屋。
外がどんなに吹き荒れててもここなら別天地。
思わずここに泊まってしまいたい気持ちになりますが、明日の行程がきつくなるので、疲れた体に鞭打って出発します。

梅花皮小屋 13:45

飯豊山荘を出発してから実に8時間、ようやく梅花皮小屋に到着。
長い急登の尾根から始まり、雨と風に叩かれながらの稜線歩き・・・久しぶりにハードな1日でした。

梅花皮小屋は想像していたよりも遥かに大きく、どっしりとした造り。
2階建てで、手前の建物は管理人さんの小屋のようです。
管理人さんは、いる時といない時があるようで、我々が泊ってる時はいなかったです。

中に入っても想像より広い印象は変わらず、20人くらいは余裕で泊まれそうです。
床もピカピカで、学校の体育館みたいに、歩くたびにキュッ、キュッ、と音がします。
いや~、これはいいわ~~~。

特筆すべきは中にトイレがあるということ。
しかも水洗で、匂いもそれほど気になりません。
これで洋式だったら最高だったんですが、そこまでは贅沢言うまい・・・
これは本当に嬉しい♪
一応トイレで外に出ることもあるかと、傘を持ってきてたのですが、全く必要なかった。

水場もこの通り、ドバドバ出ていて感動です。
小屋からほんの50mほど離れているだけ、稜線なのに何でこんなに勢いよく出てるんでしょ。
しかもこの時期、北アルプスの山小屋では水不足が深刻なのに・・・

この梅花皮小屋、これだけ凄いのに宿泊料金2000円とは・・・
北アルプスだとテントの料金だよ、これ。
ちなみにテントも小屋の周辺に数張り張れますが、こちらも料金1000円とかなり安い・・・
ただ、テントも安くていいけど、小屋の方が断然快適、空いてるなら小屋に泊まるなあ、私は。
こういう素泊まり専門で、リーズナブルに泊まれる山小屋がたくさんあって、東北はいいなあ・・・羨ましい限りです。

ちなみに今回の飯豊縦走で泊まったのは、梅花皮小屋と頼母木小屋でしたが、通過した山小屋は全て中を見学しました。
どれも規模的にはほとんど同じ、がんばれば20人くらいは泊まれそうで、中は清潔でした。
あとは行程や水場の具合で泊まる小屋を決めればいいって感じ。
個人的には梅花皮小屋が断トツで、次点で頼母木小屋かな。
あとの小屋は水場が少し遠かったりして一長一短あるかな。
でも、どれを選んでも間違いはなさそうな山小屋群です。

2日目 梅花皮小屋から飯豊山往復 10/2(月)

2日目はいよいよ梅花皮小屋から飯豊山を往復。
所要10時間の長丁場です。
小屋の前から東を見れば、どんより厚めの雲の隙間から、うっすらと朝焼けが・・・

梅花皮小屋をのぞむ 5:30

今晩もお世話になる梅花皮小屋、こうして高い所からみるとなんとも可愛らしい。

強風と共に常にガスが立ち込め、雨が降ったり晴れたりと、目まぐるしく変わる天気。
最悪ではないが、もっといい天気の時に歩きたかったな、この稜線。
風がよけれる東側の斜面で遅い朝食をとります。
ときおり、さ~とガスが晴れる瞬間があり、そんな時に現れる飯豊の稜線の美しさに目を奪われます。

御西小屋 8:50

大して晴れることなく、御西小屋まで来てしまった・・・
楽しみにしてた区間だったのに残念です。
まあ、これでまた飯豊に来る口実にはなります。

御西小屋から飯豊山へ向かうと、徐々に雲が晴れてきました。
晴れてれば黄金色に輝いて、さぞかし美しい草紅葉の草原なんだろうけど・・
まあ、真っ白で何も見えないよりは遥かにマシでしょう。きれいきれい。

玄山道分岐 9:45

進むに連れて段々と飯豊山が姿を現してきました。
玄山道分岐で休憩しながら、心ゆくまでこの伸びやかな景色を堪能しました。
この日は不思議と御西小屋から頂上にかけてはガスが晴れてまして、その点ではラッキーでした。
この区間、穏やかな傾斜が続き、道もいいので、絶景を楽しみながら歩けます。
今遠征で最もよかった区間です。

飯豊山 10:30

アップダウンの連続する稜線を5時間、ようやく飯豊山に到着。
残念ながら雲に囲まれているうえに風も強くて寒い。
早々に頂上からは退散です。

山頂は残念だったけど、少し下っただけでガスが切れて、この伸びやかな稜線歩きだけは楽しめました。
相変わらず天気は不安定でしたが、御西小屋の手前まで、素晴らしい稜線歩きでした。

御西小屋からは相変わらずの曇ったり晴れたりで、スッキリした稜線歩きにはならず・・・
それでも、時折晴れるガスの合間から現れる景色は素晴らしいの一言。
緑の斜面に張り付いた赤や黄色の色彩に、光が当たってる時の輝きといったら・・・
う~ん、こりゃ天気のいい日にまた来ないとな。
松本からは、なかなか気軽に来れる山域でないのが残念ではあります。

梅花皮小屋をのぞむ 15:20

きっちり行動時間10時間、ようやく梅花皮小屋に戻ってきました。
またこの小屋に泊まれるってのがいいよねえ・・・
なんとなく旅情を誘われる、上から見下ろした山小屋の風情・・う~ん、山旅って感じ♪

3日目 朳差岳から頼母木小屋へ 10/3(火)

梅花皮小屋を出発 5:45

夢の飯豊連峰縦走も3日目。
2晩お世話になった梅花皮小屋を後にし、朳差岳まで魅惑の稜線歩きのスタートです。
この日の朝も強風が吹き荒れてますが、晴れ間も時々あって今までで1番マシな朝です。

北股岳 6:15

まずは最初のピーク、北股岳。
ここはガスで真っ白、結局このピークでは何が見れるのか分からずじまいでした。
多分晴れてれば凄い景色が見れるんだろうな・・・

初日に登ってきた梶川尾根が見えてきました。
上部はやっぱり草紅葉で綺麗な尾根なんだな・・・・初日の天気が良ければ、ここも楽しめたってことだな。

少しずつ天気が良くなってきて、目指す朳差岳までの稜線が見えてきました。
いや~、長いなあ、でもこの長い稜線、天気が良ければ最高の眺めを楽しみながら歩けるんだな。

日の光が差し込めばこの輝き!

頼母木小屋へ 

どことなく種池山荘っぽい頼母木小屋。
稜線に浮かび上がるように建っているところなんか、そっくりです。

頼母木小屋 9:20

その頼母木小屋に到着。
梅花皮小屋から約3時間半、多少のアップダウンはあるけど、歩きやすくて景色も楽しめました。

水場

気になる水場は小屋の前にあって、ドバドバ出てて感動ものです。
水が豊富な山小屋っていいよねえ・・・

中は梅花皮小屋に比べれば狭いけど、充分な広さ。
15人くらいはいけるかな。
この日の宿泊は4組7人で、2階は使わず、1階だけでも充分に足りました。

トイレは外ですが、バイオ式で清潔でした。
匂いもそれほどないので、この小屋も素晴らしかったです。
1泊2000円だもんね、感謝感謝。

小屋の前からは朳差岳がよく見えて景色も最高な小屋です。
朳差、今から行くよ~~。

大石山 9:50

まずは大石山に登って。
通行止めだった足の松尾根、情報では今日開通の予定だったのですが、まだなのかな?
このルートが開通してくれれば、松本から少しは来やすくなるのですが・・・

大石山からは北に進路を変えて、鉾立峰から朳差岳を目指します。
こちらの稜線は紅葉の具合はまだまだってところ。
標高が低いからか、まだ色づき始めって感じでした。
それでも、この伸びやかな稜線歩きは楽しい。

朳差岳 11:45

頼母木小屋から2時間ちょっとで朳差岳に到着。
楽しい稜線歩きでした。
頂上は結構広く、20人くらいは大丈夫。
この日は貸し切りでした。

頂上から飯豊の主稜線を一望。
これまで歩いてきた軌跡を眺めながら、ひとり悦に入ります。

北に延びる尾根は紅葉が綺麗でした。
もう1週間もしたら最盛期なのかな、これでもかなり綺麗ですがね。

二王子岳 

西は二王子岳の存在感が圧倒的、その向こうには日本海も。
う~っむ、雲がどうしても晴れないんだよなあ・・・

結局4日間で秋晴れには1日も恵まれず。
それでも見れるものは見れたので、初めての飯豊にしては上出来だと思いましょう。

4日目 丸森尾根の下山 10/4(水)

頼母木小屋 6:40

楽しかった飯豊連峰縦走もついに最終日になってしまいました。
あとは丸森尾根の入口まで少し登ってから(1時間弱)、急降下するのみです。
今日も天気はスッキリしない、ドンヨリした曇り空です。

地神北峰 7:30

稜線を50分ほど登って丸森尾根の入口、地神北峰です。
ここで憧れだった飯豊の主稜線ともお別れです。
稜線は一貫して森林限界なので、素晴らしい展望の稜線歩きが楽しめます。
今度はもっといい天気が続くときに来たいものです。

天気もそれほど良くないので、下りに入ればガツガツと降りるのみ。
丸森峰までは森林限界なので景色はいいのですが、足元は悪い。
石がガラガラしてたり、ざれ場があったり、なかなか気が抜けません。

丸森峰から下は樹林帯で、更に道は急降下、後ろ向きで下りたりする場所も多くなってきます。
まあ、このように整備は最小限て感じですが、ちゃんと降りれるのが見事です。

樹林帯なんだけど、意外と開けた場所も多く、そこそこ綺麗な景色を眺めることも出来るのが救いです。

1ヶ所だけですが、なかなかな岩場があって、登りはいいけど下りは神経使うかと・・
鎖もロープもないので慎重に・・・
我々はクライムダウンしました。

駐車場が見えた時は嬉しかったなあ・・・

飯豊山荘 11:10

頼母木小屋から4時間半、ようやく飯豊山荘に到着。
もうね、これでもかの急坂続きで足がガクガク、なかなかにハードな下山でした。

もちろん、速攻で飯豊山荘の温泉に向かったのは言うまでもありません(日帰り入浴500円)。
充実の飯豊連峰での4日間を、貸し切り状態の湯船で振り返る・・・・考えうる中で最高のフィナーレになりました。
飯豊山、おそらくは中腹のブナ林も素晴らしいだろうし、稜線部はとんでもない展望の草原が続くしと、つくづくいい山だなあ・・・
歩いてる時も、「ここで天気がよかったらどんなに感動的か・・」と思わせる所のいかに多かったことか・・・
いずれ近いうちに再訪したいものです(とはいえ、もはや来年以降ですがね・・・)。


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