もう、連日暑すぎです。
涼を求めて山へ、といっても登山口近くは暑くて、歩き始めは辛かろう。
どうせなら歩き始めから標高の高い所に行きたい。
というわけで、今週末(8月29日、30日)は、ちょっと奮発。お隣の富山県にある立山三山に、アルペンルートを使って行ってきました。
標高2300mの雷鳥沢キャンプ場で1泊。テント設営後、立山三山を周遊し、翌日は早朝にテント撤収、室堂から1時間程登った、室堂山展望台から立山カルデラを眺めて帰ってきました。
扇沢から室堂へ【立山黒部アルペンルート】
アルペンルートの長野県側の玄関口、扇沢。朝一でいっても満車確実だろうと、前夜から車中泊。
22時頃の時点では、80%くらいの入りか、所々に駐車出来るスペースが空いてて、まだ余裕。
いつ満車になったか分からないけど、翌朝5時に起きたときにはもう一杯でしたね。しかしまあ、
地元の山なのに車中泊してるって、なんだかなあ・・・
扇沢駐車場について
- 公式HPはこちら
- 有料駐車場 駐車台数350台。上から4段に分かれてて、上2段(第一P、第二P)が12時間1000円(超過12時間まで 1000円)、その下2段(第三P、第四P)が24時間1000円((超過24時間まで1000円)とのこと。
- 無料駐車場 駐車台数230台。有料駐車場の一番下(第四P)からさらに下、車道を跨いだ反対側にあります。扇沢駅までは徒歩5分、といったところ。シーズン中の休日は、早朝でも満車の可能性大。トイレは無いので、扇沢駅まで歩く必要あり。駐車場のどん詰まりに、ちょっとだけ近道出来る山道が伸びています。夜はヘッドランプ必携。
- トイレ 扇沢駅に24時間開いているトイレが有ります。洋式水洗。山のトイレとは別物、超Aランクです。無料駐車場からだと結構歩きますが・・・
山に行く朝は何故かパッと目覚める私、この朝も4時過ぎには目が覚めてしまいます。コーヒー沸かして、朝食をゆっくりと摂ってもまだ5時半。狭い車内にいるよりは、扇沢駅で並んでいる方がましだろうと、出発します。
始発の切符の販売開始(6:50)まではまだありますが、もう結構並んでいますねえ。ふ~皆さんお早い。一応、ソーシャルディスタンスを促す目印があるので、各自少し離れながら、切符の販売を待ちます。
流石に5時半から並んだかいあって、7:30の始発便は確保。(扇沢~室堂往復9210円)
多分、今年はコロナの影響で外国人がいないし、国内の客足も鈍いのか、さほど混雑もなくすんなりと出発できました。
扇沢から電気バスに乗って15分で黒部ダム到着です。ここから次のケーブルカーまではダムの堰堤上を15分程歩きます。
観光放水とか、迫力があるそうで見ていきたい所ですが、観光は帰りにとっておいて、先を急ぎます。
ダムの上はすっきりと晴れ渡り、遠く赤牛岳もくっきりと望めます。いやがおうにもテンション上がろうってもんです。
この後、ケーブルカー、ロープウェー、トローリーバスと乗り継いでいきます。
コロナ対策もあって、乗客は少なめで運航しています。どの交通機関も乗車時間は10分以下で、乗り換えのたびに、改札口に並びます。
う~ん、長野側は面倒くさいです、乗り継ぎが。今回はまだ比較的空いていたのでマシなんだろうけど、荷物あったら今度からは富山側からですね。安いし・・
でも長野側は初だったので、観光として来ていたら、これはこれで楽しいんでしょうね。アルペンルート側も、客が多ければそれに応じて臨時便を出していますので、そこは頑張っていますね。
そうこうするうちに扇沢を出発してから1時間半、室堂到着です。
室堂から雷鳥沢キャンプ場へ
室堂ターミナルはまだ朝が早いからか、落ちついた佇まい。トイレをすまし、早速外に出てみると、残念ながら立山の頂上部分は雲の中。なぬ~、さっきまで晴れてたのに・・・
それでも標高2400m、さすがの涼しさ、雲がちながらも視界は十分とあって、高山の雰囲気は満喫できます。
ターミナルを出てすぐの、玉殿の湧水を汲んで、今晩のお宿、雷鳥沢へ出発です。
雷鳥沢までは、室堂平周辺に張り巡らされている石畳の道をいきます。道も広く、快適なので、くまこも出てきました。
晴れていれば「逆さ立山」を映すミクリガ池。今日はあいにくの天気。
ミクリガ池からみくりが池温泉に行く途中、地獄谷への通行止めの看板がありました。今は火山ガスの濃度が濃くて、立ち入り禁止のようです。このあとも何か所かこのような立ち入り禁止看板があります。風向きのせいか、このあとずっと温泉卵の匂いを嗅ぎながらの歩きになります。
尾根上を細かくアップダウンしつつ、進んでいると、茶色い池塘群が現れます。血の池地獄、と言われれば成程、納得です。
曇りがちながらも、スケールの大きな見晴らしは健在。そんな景色に目を奪われながら、ゆっくりと歩いているといつの間にか雷鳥荘の前まで。今日のお宿が眼下に見えてきました。
土曜日ですが、テントの数はまだまだ余裕ありそうで一安心。
ここまでは大したアップダウン無しで来ましたが、ここからキャンプ場までは一気の急降下。道は相変わらずの石畳ですが、ガンガン降りていきます。
9:40キャンプ場到着。早速、今夜のねぐらを物色します。丸太のベンチの脇に丁度いいスペースがあったので、ここを今夜の寝床に決定。それにしても下地が良すぎ。スーパーフラットで快適なテント泊になりそう。
早速、テントを張り、コーヒー沸かしてしばし休憩。
管理所で受付を済ませたら、今日どうするか協議です。
天気は快晴とは言えないまでも、視界も良好だし、風も穏やかなので、立山三山周回ということに。
雷鳥沢から大走りコースを登って真砂岳へ。その後、富士の折立、大汝山、雄山の三山を登って、一の越から雷鳥沢へ戻れば、ちょっとした周回コースになります。
雷鳥沢キャンプ場について
- 公式サイトはこちら
- 場所 室堂から徒歩40分
- テントサイト 主要なエリアで張れれば、すこぶるフラットな下地。置き石も沢山あり、張り綱も張りやすい。
- 料金 一人500円
- トイレ 和式だが、水はジャンサカ出ていて爽快
- 温泉 今回行けなかったので詳細不明だが、10分程離れたロッヂ立山連峰にて可能とのこと
立山三山周遊
大走りコースへは、キャンプ場のすぐ下を流れる沢を渡ります。すぐに右手に曲がり、真砂岳の大斜面に取りつくまで、草原状をなだらかに登っていきます。
この高原、チングルマの綿毛がびっしりと広がっていて、花の時期は凄いことになりそう。チングルマは終わっていたけど、代わりにミヤマリンドウを見つけたりしつつ、徐々に登りがきつくなってきます。
登山道は、気持ちのいい高原歩きから、真砂岳の斜面に入っていきます。この道、写真のように大小の石がゴロゴロと乗っていて、置いた足元がゴロっと動くことが多く、変に体にこたえる。斜度もキツイのでなかなか辛い区間でした。
そんな斜面を黙々と登って、ようやく稜線がみえてきました。
稜線近くは大きな石がなくなった代わりに、拳くらいな石がジャラジャラと敷いてある感じで、これまた足元ズルズルで歩きづらい。
キャンプ場から約2時間、ようやく稜線に登りつきました。このルート、登りで良かった。下りにはあまり使いたくないですね。足元崩れまくりで難儀しそうです。
稜線に出て、しばらくすると、真砂岳と富士の折立の分岐に出ました。
いつの間にか、ガスが上がってきてて、視界はあるけど展望は望めそうにありません。真砂岳の頂上はパスし、富士の折立に向かいます。
富士の折立へは標高差200mを一気に上がるのですが、その左手には内蔵助谷の雪渓が広がっています。この雪渓、一応氷河の名残と考えられているようです。さすがにここまで冷気は上がってきませんが、曇っているのでそれほど暑くもないです。
富士の折立への登りに掛かると、次から次へと人が降りてきます。ちょうど、室堂を朝一で登り始めた人々の流れでしょうか。道は細いので、慎重にすれ違います。道は岩々していますが、安定しているので、危険は感じません。
40分程で富士の折立と大汝山との分岐に到着。ここから雄山までは、大きなアップダウンは無く、天気が良ければ最高の稜線漫歩になるはず。今回は残念。ガスが優勢なため、山頂は巻き巻きで、とにかく立山三山の稜線を通過することとします。
ということで折立のピークもパス、次なる大汝山を目指します。
ほどなくして、大汝休憩所。てっきり営業してると思ったのですが、閉まってますね。コロナの影響なのかな。コーラでも買っていこうかと思っていたら、あてが外れました。このちょっと上が大汝山の頂上ですが、こちらもパスして雄山に向かいます。
よく踏まれた登山道を雄山へ向かうと、少し雨が降ってきました。雨具を着込むか悩む所でしたが、ここは雨具を着ると晴れるの法則に従っておきます。
大汝から本当にすぐに、雄山神社が、霧の向こうに浮かび上がるようにしてあらわれました。立山三山周遊、最後のピークです。(今回一座も頂上に登ってませんが・・)
立山の稜線を歩いているうちにガスが晴れると期待していたのですが、状況はその逆。雄山に着いてもとうとうガスは晴れませんでした。うーん、残念。
どうも雄山頂上の社務所もやってないらしく、少し寂しい感じでした。ただ、この日はトレランの大会をやっていたようで、社務所前の広場はかなりの人出。
このトレラン大会、実に凄くて、なんと海から雄山の頂上まで人力で上がってくるんです。立山登山マラニック、もう23回もやってるんですね。う~む、凄い方々がいるもんです。
そんなわけで、大会の人、一般登山の人々で広場はかなりの混みよう。くまこの記念撮影だけしてそそくさと下山します。
キャンプ場へ下山
一の越への下山路、先ほどの大走りほどではないけど、石が不安定で神経を使います。傾斜もあるので、石を落とさないよう慎重に降りていきます。
登りと下りでルートが分けられている所が多く、こういう所は超メジャーな山の登山道って感じです。
雄山から30分程でガスが晴れ、一の越山荘が見えてきました。こうして見ると、かなり急傾斜の斜面に道がついているのが分かりますね。
一の越山荘前の広場で一休みし、雷鳥沢に向けて降ります。
私たちは一の越から少し下った所で、雷鳥沢に分かれる登山道に入ったのですが、おそらく、一の越から室堂までは、石畳の道が続いていると思われます。これはこれで足にきそうですよ。
いつの間にか雨もやんでいましたが、ガスっているのは変わらず。うす靄のなかを下っていきます。
晴れていれば、正面に大日連山を眺めつつ歩いているはず・・・
それにしても、ガスで視界が狭められているなかでさえ、目の前に展開する景色にうっとりしてしまいます。これですっきり晴れていればなあ・・・どうしても考えてしまいますね。
この下山路も至るところチングルマの綿毛だらけで、花の時期はさぞや・・・と思わせます。
キャンプ場が近づいてきました。着いた頃に比べれば随分テント増えたなあ。でもまだまだ余裕はありそう。
キャンプ場を出発してからおよそ5時間、ようやく戻ってきました。
標高のせいか、軽いハイキングのつもりが、結構ガッツリ歩いた感があります。
妻はテントに着いたとたん、そのままバタンキュー。
私のほうは、まだ余力があったので、温泉にいこうとしたのですが、10人以上の行列を見た途端戦意喪失、スゴスゴとテントに帰ったのでした。
そして、その夜は断続的に雨が降り、星降る夜空を眺めながらブランデーをクイッ、と目論んでいた私の夢は儚く散ったのでした(涙)
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